【945人調査】インフルエンサーマーケティングの効果がないは嘘?約46%が「購入したことのある」と答えた実態レポート
「インフルエンサーに頼んでも売れない」「PR案件は消費者に嫌われる」──マーケティングに携わる方なら、こういった声を耳にしたことがあるんじゃないでしょうか。
株式会社LeveL.Lでは、インフルエンサーや芸能人の発信が実際の消費行動にどれほど影響しているかを検証するため、男女945人を対象にアンケート調査を実施しました。
その結果は「効果がない」という通説を否定するものでした。
調査から見えてきたのは「騙されて買う消費者」ではなく、「情報を自分で精査した上で購入判断を下す賢いユーザー」の実像です。
本調査は、インフルエンサーや芸能人の発信をきっかけとした消費行動の実態を把握するために実施しました。「インフルエンサーの投稿を見て実際に購入したことがあるか」だけでなく、「購入前にどれほど情報収集をしているか」「PR表記の有無が購買に影響するか」まで踏み込んで聞いています。
調査概要
- 調査期間:2026年3月6日~2026年3月15日
- 調査方法:インターネット調査
- 調査対象:全国の10代~70代の男女
- 有効回答数:945人(男性278名、女性667名)

回答者年代は30代が348名(36.8%)と最多で、次いで40代224名(23.7%)、20代189名(20.0%)と続きます。50代が124名(13.1%)、60代38名(4.0%)、10代18名(1.9%)、70代4名(0.4%)と、10代から70代まで幅広い年齢層から回答を得ています。

インフルエンサーマーケティングに「効果がない」は本当か?
「インフルエンサーマーケティングは効果がない」という言葉、SNSやマーケティング界隈でよく目にします。
確かに一時期と比べてフォロワー数に対するエンゲージメント率は落ちていますし、「案件ばかりのインフルエンサーはもう信用できない」という声があるのも事実です。
ただ、「効果がない」と「効果が薄れた」は全然違う話です。
当社が今回調査をしようと思ったのも、こうした通説と消費者の実態がズレているんじゃないかという仮説があったからです。実際に945人に聞いてみると、想像以上に「購入経験あり」の数字が出ました。データを見ていきましょう。
【46.7%が購入経験あり】インフルエンサーの発信は確実に購買行動を動かしている
まず最初の質問「芸能人やインフルエンサーの発信や発言をきっかけに商品やサービスを購入したことはありますか?」の結果です。

- はい:441人(46.7%)
- いいえ:504人(53.3%)
約2人に1人が購入経験ありという結果でした。正直、当初の想定より多い数字でした。
「いいえ」が過半数ではありますが、これは「インフルエンサーの発信を見ても一度も買ったことがない」という母数です。施策の質次第で刈り取れる余地はまだまだある、ということでもあります。
また、今回の調査は10〜20代だけでなく40〜60代も対象に含まれています。全世代を含む調査で約46%という数字は、インフルエンサーマーケティングが特定の年齢層だけに効く施策ではなくなってきていることを示しています。
【実際に何を買ったか】ジャンルは美容・食品・旅行まで幅広い
購入経験のある441人の自由記述から、実際に誰の何を買ったかがよく見えてきました。ジャンルは想定より幅が広く、美容・スキンケアから食品・グルメ体験、ガジェット、旅行まで多岐にわたっています。
美容・スキンケア(最多カテゴリ)
最も多かったのが美容・スキンケア系です。
小田切ヒロさん(メイクアップアーティスト)の発信からセザンヌの影色リップライナーやフェイスパウダーを購入した声が複数ありました。「動画での説明は色味や使い心地もわかりやすく、自分で使う時にもやり方が確認できる」というコメントに代表されるように、単なる商品紹介ではなく使い方までわかる発信が購買につながっています。
指原莉乃さんについては「コスメや美容家電などの紹介は、忖度なしのレビューという印象があって、新作が出るとついチェックしてしまう」(30代女性)という声があり、TikTokショップで開発したコンタクトレンズを購入したという回答も複数ありました。
EGA.channel(えがちゃん)経由でのスキンケア購入も多く、男性からの回答が目立ったのが特徴的です。「インフルエンサーが言っていたように肌へいい影響が多かった」という満足の声がある一方、「男性が美容に関心を持つきっかけになっている」という消費行動の変化も読み取れます。
食品・グルメ・飲食店
食品カテゴリで最も多かったのがヒカキンさん経由の購入です。ヒカキンさんプロデュースの「みそきん」(セブンイレブン限定)は複数の回答で名前が挙がっており、「なかなか買えないので何度も買いに行ってようやく購入できた」という声もありました。コンビニの商品という購入ハードルの低さも相まって、購買行動に直結しやすいカテゴリです。
料理研究家リュウジさんのYouTube「忖度なし納豆選手権」を見てあづま食品の国産大きなひきわり納豆を購入した40代女性は「とても美味しくて毎日食べても飽きなかった。今でも欠かさず食べている」とリピートを明言。
木村拓哉さんのYouTubeでKALDIのコーヒーゼリーを知って購入した40代女性は「1度買ってみようと思えた価格で、木村さんが言っていた特徴のコーヒーシュガーも美味しかった」と回答。芸能人が「気軽に買える商品」を紹介することの購買効果の高さが出ています。
旅行・体験
Snow Manの岩本照さんがYouTubeで紹介していた秩父の日帰り旅行を実際に行った30代女性は「自分で調べて行くよりも充実した時間を過ごせた」とコメント。TikTokで夫婦旅行を発信しているアカウントから旅館を選んだ20代女性は「動画で見てから行くのでそこまで違ったこともなく、ちゃんと素敵なお宿に泊まれている」と、動画コンテンツならではの信頼感を述べています。
観光地・旅行系は単価が高いカテゴリにもかかわらず購入に至るケースが多く、「行動前に動画で雰囲気を確認できる」という視覚的な情報提供が後押しになっていることがわかります。
ガジェット・家電
カズチャンネル経由でGoogle Pixelを購入した40代男性は「YouTubeの動画で紹介されていた通り非常に操作しやすく、自分に合っていた」と評価。料理系YouTuber「谷やん」からグローバル包丁を購入した30代男性は「日常的に毎日使うものでありながら値段以上の性能」と述べています。
ガジェット系は単価が高い商品でも、実際の使用感を動画でリアルに確認できることが購買の後押しになっています。
投資・マネー
やや意外なジャンルとして目を引いたのが投資系です。リベラルアーツ大学の両学長経由で投資信託を始めた30代男性は「順調に資産が増えているから」と満足を回答。厚切りジェイソンさんの著書を読んでインデックスファンドの積立を始めた40代男性は「資産が増えたため」と答えています。30,000円以上のカテゴリで複数件ありました。
インフルエンサーマーケティングの効果が及ぶのは「モノを買う」という行動だけでなく、投資や資産形成という「行動変容」にまで広がっていることがわかります。
ユーザーは「鵜呑み」で買わない──77.6%が購入前に情報収集をしている
「インフルエンサーに勧められたものを何も考えずに買ってしまう」というのも、よく言われる話です。でも実態はどうか。購入経験のある441人に「購入前に他のレビューや情報を確認しましたか?」と聞いてみました。

- 十分に確認した:152人(34.7%)
- 少し確認した:188人(42.9%)
- 確認していない:72人(16.4%)
- 応援する気持ちで買ったので気にしていない:26人(5.9%)
「十分に確認した」と「少し確認した」を合算すると77.6%。インフルエンサーの発信をきっかけにしながらも、8割近くのユーザーが自分で情報を取りに行っています。
「少し確認した」が最多の42.9%
最多は「少し確認した」の42.9%。完璧に調べるわけではないけど、他の口コミや評判をさらっと見てから買う、というのが最もリアルな購買行動と言えます。
ガジェット系YouTuber「たこまる」の動画からゲーミングモニターを購入した30代女性は「自分の遊んでいるゲームに過剰すぎず物足りなくもないスペック及び価格だったから」とコメント。インフルエンサーの紹介はあくまで「気づきのきっかけ」であり、スペックや価格の妥当性は自分でも確認した上で購入しています。
インフルエンサーの発信は「興味のきっかけ」に過ぎず、最終的な購買判断は自分で調べた上で下している。このプロセスを踏まえると、インフルエンサーマーケティングは「単独では完結しない施策」であることがわかります。SNSの投稿だけでなく、その後に検索したときに出てくる口コミや公式サイトの情報が購買の決め手になっているケースが多いはずです。
「応援購入」という動機も一定数存在する
注目したいのが「応援する気持ちで買ったので気にしていない」の5.9%(26人)です。
U字工事チャンネルのTシャツを購入した50代男性は「実際Tシャツはどうでもよかった。応援する気持ちを伝えたかった」と正直に回答。NEWSの加藤シゲアキさんのファンだという50代女性は「出版されるものは本でも雑誌でも全て買います」と、品質の確認より「推し」への支持が購買動機の全てになっています。
この層はいわゆる「推し活」に近い動機で購入しています。PRかどうかも関係なく、好きな人が紹介しているから買う。ファンマーケティングの観点からは、この層をどれだけ育てられるかがLTVに直結します。
購入後の満足度は91.8%が「良かった」と回答
「インフルエンサーのオススメ商品は実際は大したことない」というイメージを持っている方も多いかもしれません。購入経験のある441人の満足度はどうだったか。

- とても良かった:239人(54.4%)
- まあまあ良かった:164人(37.4%)
- どちらでもない:20人(4.6%)
- 微妙:11人(2.5%)
- 良くなかった:5人(1.1%)
「とても良かった」と「まあまあ良かった」の合算は91.8%。
自由記述では満足の理由が具体的に書かれているものが多く、「発信していた通りの商品だったから」という言葉が何度も登場しました。インフルエンサーの発信と実際の商品体験が一致していることが高満足度につながっています。
一方で「自分の肌には合わなかった」「効果を実感できなかった」という回答も一定数ありました。これは商品品質の問題というより、個人差や使い方の問題です。インフルエンサーの体験談が「自分にも同じ効果が出るとは限らない」ということを理解した上でも、購入してみる価値があると判断している層が多いことがわかります。
また、「良くなかった」がわずか1.1%(5人)という点も見逃せません。インフルエンサーマーケティングが「詐欺的な購買を生む」という批判が一部にありますが、少なくともこの調査では、購入後に大きな不満を抱えているユーザーは極めて少数でした。
購入価格帯のボリュームゾーンは5,000円未満──手の出しやすい金額が牽引
購入経験のある441人に購入価格帯を聞いた結果です。

- 1~1,999円:140人(31.9%)
- 2,000~4,999円:155人(35.3%)
- 5,000~9,999円:71人(16.2%)
- 10,000円~30,000円:51人(11.6%)
- 30,000円以上:22人(5.0%)
5,000円未満が67.2%と圧倒的なボリュームゾーン。コスメ、食品、雑貨など、日常的に手の届く価格帯がインフルエンサーマーケティングの主戦場になっています。ヒカキンさんのみそきん(セブンイレブン限定商品)、料理研究家リュウジさんの納豆紹介、キムタクさんのKALDI商品紹介がこの価格帯に当たります。コンビニやスーパーで気軽に試せる商品は、発信を見た日にそのまま購入できる導線の短さも購買率を後押ししています。
一方で、10,000円以上が16.6%存在する点も興味深いです。高単価商品でも、信頼できるインフルエンサーの発信であれば購買に至るケースがある。両学長や厚切りジェイソンさん経由での投資信託・インデックスファンド購入、旅行系インフルエンサー経由での旅館宿泊(30,000円以上)など、ファッションや家電・体験系では単価が高くても動くユーザー層が一定数いることを示しています。
PR(案件)表記があっても「内容次第で買う」が63%──購買の障壁にはなっていない
今回の調査で最も注目していた設問がこちらです。「『PR(案件)』だと知っていても購入に影響はないですか?」

- 影響あり(買わない):37人(8.4%)
- その内容による:277人(63.0%)
- 影響なし(買う):126人(28.6%)
「影響なし(買う)」と「その内容による」を合わせると91.6%がPR表記があっても購入の可能性があるという結果でした。
PR表記は「絶対に買わない理由」にはならない
「案件だとわかったら信頼性が下がって買わなくなる」という声をよく聞きますが、データはそれを否定しています。PR表記を見て「じゃあ買わない」と判断するユーザーはわずか8.4%。大多数のユーザーはPR表記があっても、コンテンツの内容を見て自分で判断しています。
消費者が見ているのはコンテンツの「中身」
最多の63%を占めた「その内容による」が本質を表しています。PRかどうかより、「この発信は信頼できるか」「この人のレビューはいつも的確か」「紹介の仕方が誠実か」──ユーザーが見ているのはそこです。
指原莉乃さんの発信から美容家電を購入した30代女性が「忖度なしのレビューという印象」と評価したように、PR案件であってもそのインフルエンサーの発信スタンス全体を信頼しているからこそ購入に動いています。つまり、PR表記があること自体はマイナスではなく、PR表記の上でどれだけ信頼性の高いコンテンツが作れているかが問われているということです。
そもそもPR表記は法律上の義務
ここで重要な前提を共有しておきます。
2023年10月1日、ステルスマーケティングは景品表示法における「不当表示」として規制対象になりました。 これにより、事業者から依頼を受けてインフルエンサーが投稿する場合、広告であることを明示しなければ景品表示法違反となります。(※1)
規制の対象となるのは、商品・サービスを供給する事業者(広告主)であり CAA、インフルエンサー本人ではありません。つまりインフルエンサーにPR表記なしで投稿させると、罰則を受けるのは依頼した事業者側ということです。措置命令に従わなかった場合、2年以下の懲役または300万円以下の罰金が科されます。
「PR表記をつけると購買率が下がるのでは」という懸念から表記を曖昧にする事業者もまだ見受けられますが、今回の調査結果を見ると、その懸念自体が的外れであることがわかります。消費者はPR表記を見ても離れない。むしろ、PR表記なしで後から発覚したほうが信頼を大きく損なうリスクがあります。
PR表記は法的義務であり、かつ購買の障壁にもなっていないのです。
※1 消費者庁「令和5年10月1日からステルスマーケティングは景品表示法違反となります。」 https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/stealth_marketing/
今回の調査から見えたインフルエンサーマーケティングの本質
今回の調査結果を改めて整理すると、3つのことが言えます。
① 効果がないは嘘。むしろある。
約2人に1人が購入経験ありという結果は、想定より多かったです。美容・食品・旅行・ガジェット・投資まで、購入ジャンルも幅広い。「特定の層にしか刺さらない施策」ではなく、幅広いカテゴリと年齢層で機能していることが確認できました。
② ユーザーは賢い。情報を精査した上で買っている。
77.6%が事前に情報収集をしています。インフルエンサーの発信はあくまで「入口」であり、その後の口コミや公式情報との連携が購買を後押しします。インフルエンサーマーケティングを単体施策として考えず、SEOやGoogleマップの口コミ対策と組み合わせた設計が重要です。
③ PR表記は信頼を壊さない。法律上の義務でもある。
91.6%がPR表記があっても購入の可能性があると回答しています。2023年10月に施行されたステルスマーケティング規制により、PR表記は任意ではなく義務になりました。表記の有無を議論するフェーズはもう終わっています。議論すべきは「PR表記の上でどれだけ信頼できるコンテンツを作れるか」です。
まとめ
インフルエンサーマーケティングの効果と消費者行動(調査結果まとめ)
- 約46.7%がインフルエンサーの発信をきっかけに購入経験あり
- 購入ジャンルは美容・食品・旅行・ガジェット・投資まで幅広い
- 購入者の77.6%が購入前に自分で情報収集をしている
- 購入後の満足度は91.8%が「良かった」と回答
- 購入価格帯は5,000円未満が67.2%と大半を占める
- PR表記があっても91.6%は購入の可能性がある
- PR表記は2023年10月施行の景品表示法により義務付け
「インフルエンサーマーケティングは効果がない」という言葉は半分正しく、半分間違いです。「かつての手法のまま続けても効果が薄い」のは事実ですが、「消費者の購買行動に影響を与えていない」はデータが否定しています。
ユーザーはきちんと情報を精査して買っています。だからこそ、インフルエンサーへの依頼の質とPR後のランディング先(口コミ・サイト・商品ページの整備)が重要になってきています。
当社では、インフルエンサーマーケティングの設計から、その受け皿となるSEOやMEO対策まで一気通貫で支援しています。「とりあえずインフルエンサーに投げてみた」で終わらせない運用のご相談は、お気軽にどうぞ。