【即修正したい】スパムアップデートの概要と今サイトに影響を与えている可能性

「なぜか検索順位が下がっている」「最近サイトのアクセスが減った」と感じているWeb担当者の方、それはもしかするとGoogleのスパムアップデートが影響しているかもしれません。
2024年は3月6日、6月21日、そして12月20日の合計3回スパムアップデートが実施されました。特に最新のスパムアップデートは、2024年12月20日に実施(ロールアウト)されて「December 2024 spam update」と名付けられ、12月27日に完了しました。
実は、多くの事業者が見落としがちなのが「古いコンテンツがサイト全体の評価を下げている」という問題です。新しいコンテンツを作り続けることに集中するあまり、過去のコンテンツが知らず知らずのうちにスパム認定のリスクを高めている可能性があります。
この記事では、スパムアップデートの正体を明らかにし、特に古いコンテンツが与える影響と、今すぐ取るべき対策について具体的に解説します。「まさか自分のサイトが...」と思った方ほど、最後まで読んでいただきたい内容です。
スパムアップデートとは?基本的な仕組みを理解する

スパムアップデートの定義と目的
検索スパムを検出するGoogleの自動システムは常に稼働していますが、その機能が大きく改善されることがあります。Googleはこれを「スパムアップデート」と呼んでいます。
簡単に言うと、Googleが「検索結果の品質を保つために、悪質なサイトを排除するシステムを強化する」アップデートです。単にクリックさせるために作られたようなコンテンツはなるべく排除され、ユーザーが有用と感じるコンテンツが多く表示されるようになります。
スパムアップデートとコアアップデートの違い
よく混同されがちですが、スパムアップデートとコアアップデートは全く別物です。
スパムアップデート
- 年に数回実施(2024年は3回)
- スパム行為の検出・排除が目的
- 悪質なサイトの順位下落やインデックス削除が主な影響
コアアップデート
- 年に2〜4回実施
- 検索アルゴリズム全体の改善が目的
- サイト全体の品質評価が見直される
重要なのは、スパムアップデートの場合は「明確なNGな行為」があることです。つまり、対策が立てやすいとも言えます。
AIベースのSpamBrain システム
SpamBrainはGoogleのAIベースのスパム防止システムです。Googleは、随時そのシステムを改善して、スパムを発見する能力を向上させ、また新種のスパムを検出できるようにしています。
このシステムの進化により、従来は見逃されていた微細なスパム行為も検出されるようになっています。特に気をつけたいのは、過去に「グレーゾーン」だった手法が、今では明確にスパム認定される可能性が高いことです。
2024年のスパムアップデート影響と特徴

3月のスパムアップデートの大きな影響
2024年3月、Googleはコアアルゴリズムアップデートとスパムアップデートを同時に実施しました。この同時実施により、影響を受けたサイトは非常に多く、スパムアップデートの影響は非常に大きく、多くのサイトが一斉にインデックスから削除される「インデックス削除の嵐」が話題となりました。
Twitterでは、800以上のサイトが削除されたという報告や、80サイトもの大手サイトが削除されたといった情報が投稿され、日本国内外で注目を集めました。
新たなスパムポリシーの追加
今回のスパムアップデートと同時に、3つの「不正使用」がスパムポリシーに追加されました。サイト評判、期限切れドメイン、スケールコンテンツの不正使用です。
これらの新ポリシーにより、従来は問題視されていなかった手法も明確にスパム認定されるようになりました。
12月のスパムアップデートによる最新状況
最新のスパムアップデートは、2024年12月20日に実施(ロールアウト)されて「December 2024 spam update」とGoogleが名付けてます。実施されてたスパムアップデートは、12月27日に完了しました。
この最新のアップデートでも、多くのサイトで順位変動やインデックス削除が報告されており、スパム対策の重要性が改めて浮き彫りになっています。
古いコンテンツがサイト全体に与える深刻な影響

なぜ古いコンテンツが問題になるのか
多くのサイト運営者が見落としているのが、「古いコンテンツの負の影響」です。古いコンテンツが多すぎると、閲覧者が最新情報を見つけにくくなり、ユーザー体験が損なわれる可能性があります。
さらに深刻なのは、検索エンジンの評価においても、古い情報が放置されているとドメインオーソリティに悪影響を及ぼす可能性がありますということです。
ヘルプフルコンテンツシステムとの関連性
Googleのヘルプフルコンテンツシステムでは、サイト全体のシグナルが生成され、ウェブページのランキングに影響するシグナルの一つとして扱われます。つまり、一部のページに問題があると、サイト全体の評価が下がる可能性があります。
これは非常に重要なポイントで、検索エンジンファーストで対策したコンテンツが多い場合、サイト全体で検索順位が落ちる可能性があります。
実際の影響事例
古いコンテンツは評価も下がっていき、SEOでは、環境の変化で情報が古くなってくると順位も落ちていきます。また、同じようなトピックのコンテンツが複数あるケースでは、検索エンジンから見ると古いコンテンツは用済みとなってしまいます。
実際に、同じトピックの新旧コンテンツが複数存在していた際に、実際にGoogleアナリティクスでユーザーの行動を分析すると、古いコンテンツはほぼ検索からの集客がありませんでしたという事例もあります。
クロール予算への影響
コンテンツの削除により、サイトのクロール予算を節約し、Googleなどの検索エンジンがより価値のあるページに焦点を当てることが可能です。
逆に言えば、価値の低い古いコンテンツが大量にあると、Googleのクローラーが重要なページを見つけるのを妨げている可能性があります。
スパム認定されやすいコンテンツの特徴

AIで大量生成されたコンテンツ
AIで記事を大量生成し、広告収入のみを目的としたMade for AdSense(MFA)サイトが多数インデックスから削除されています。
特に注意が必要なのは、過去にAIツールで作成したコンテンツです。当時は問題なかった内容でも、現在のスパム検出システムでは問題視される可能性があります。
低品質な重複コンテンツ
影響を受けたサイトに共通していたのは、コンテンツの質の低さです。キーワードを詰め込んだだけの薄いコンテンツや、他サイトから盗用したコンテンツ、AIによる自動生成が疑われるコンテンツなどです。
同じような内容のページが複数存在している場合も要注意です。意図的でなくても、スパム認定のリスクが高まります。
中古ドメインの不正使用問題
中古ドメインを使って、以前の評判を悪用しているサイトも見られました。
特に、ドメインは約10年以上前から運営されており、もともとは企業のブランドサイトでした。しかし、昨年から別のオーナーに渡り、低品質なトレンドブログに切り替わりましたという事例もあり、ドメインの過去の歴史と現在のコンテンツのミスマッチも問題となります。
キーワードの過剰な詰め込み
古いSEO手法で作られたコンテンツに多く見られるのが、不自然なキーワードの詰め込みです。現在のGoogleアルゴリズムでは、このような手法は明確にスパム認定されます。
特に、以下のような特徴があるコンテンツは要注意です:
- 同じキーワードが不自然に何度も登場する
- 文章として不自然な日本語になっている
- キーワード密度を意識しすぎた結果、読みにくくなっている
今すぐ実施すべき古いコンテンツの診断方法

Google Analytics 4での分析手順
まずは現状把握から始めましょう。以下の手順で古いコンテンツの影響を確認できます:
- GA4で「ページとスクリーン」レポートを確認
- 過去6ヶ月間でセッション数が極端に少ないページを抽出
- 直帰率が90%以上のページをリストアップ
- Search Consoleでの確認
- 「検索パフォーマンス」でクリック数が0のページを確認
- インプレッション数も極端に少ないページを特定
- コンテンツの公開日確認
- 2年以上前に公開され、一度も更新されていないページ
- 情報が明らかに古くなっているページ
重複コンテンツの特定方法
同じトピックを扱ったページが複数ある場合の確認方法:
- サイト内検索の活用
- 主要キーワードでサイト内検索を実行
- 類似した内容のページが複数ヒットしないか確認
- URLの命名規則チェック
- 同じようなURLパターンが複数ないか確認
- 例:「/service/web-design/」と「/services/webdesign/」など
- タイトルとディスクリプションの重複確認
- Search Consoleの「HTML の改善」で重複を確認
- 似たようなタイトルのページを特定
品質評価のチェックポイント
各ページについて以下の観点で評価してください:
ユーザー価値の観点
- このページに辿り着いたユーザーが満足するか?
- 現在でも有用な情報が提供されているか?
- 他のページとの差別化ができているか?
技術的な観点
- ページの読み込み速度は適切か?
- モバイル対応ができているか?
- 内部リンクの構造は最適か?
コンテンツの鮮度
- 情報が古くなっていないか?
- 法律や規制の変更に対応しているか?
- 競合他社と比べて劣っていないか?
効果的な修正・改善戦略

統合すべきコンテンツの判断基準
3ページのうち最も検索エンジンから集客出来ているページを選び、そのページに古いコンテンツの情報を再度要約して統合します。この手法は実際に効果が確認されています。
統合の判断基準:
- 検索流入が多いページに統合:最もSEO効果の高いページを残す
- 内容の網羅性:統合後により充実したコンテンツになるか
- ユーザビリティ:1つのページで完結した方が分かりやすいか
削除すべきページの見極め
削除すべきページと残すべきページを正しく見極めることは、サイト全体のSEO評価に大きな影響を与えます。
削除候補のページ:
- 直帰率が90%以上で改善の見込みがない
- 同じ内容の他ページが存在し、こちらの方が質が低い
- 情報が古すぎて修正コストが新規作成を上回る
- スパム的な手法で作られたページ
ただし、トラフィックが多いページや、質の高い外部リンクを持つページは、SEO価値が高いため、軽はずみに削除しないよう注意が必要です。
301リダイレクトの設定方法
リダイレクトは、古いページを新しいページに誘導する方法で、ユーザーの利便性を高めることができます。特に、関連性の高いページにリダイレクトすることで、トラフィックの損失を防げます。
適切なリダイレクト設定:
- 統合する場合
- 古いページから新しい統合ページへ301リダイレクト
- リダイレクト元のページのURLは削除
- 関連ページがある場合
- 最も関連性の高いページへリダイレクト
- ユーザーが求める情報に最も近いページを選択
- 関連ページがない場合
- トップページやカテゴリートップへのリダイレクトは避ける
- 404エラーを返した方が適切なケースもある
コンテンツの更新・リライト手法
古いコンテンツでも、新しい情報にリライトすることで検索順位が向上するケースも存在します。
効果的なリライトのポイント:
- 情報の鮮度更新
- 最新のデータや事例に更新
- 法規制の変更などを反映
- 業界トレンドに合わせた内容に修正
- ユーザビリティの改善
- 読みやすい文章構造に変更
- 見出し構造の最適化
- 画像や図表の追加
- SEO要素の最適化
- タイトルとメタディスクリプションの見直し
- 内部リンクの最適化
- 関連記事との連携強化
スパムアップデート対策の実践的なポイント

Googleのスパムポリシー準拠の具体策
Googleの「スパムに関するポリシー」に準拠した対策をします。これが最も基本的かつ重要な対策です。
主要なスパムポリシー:
- クローキング:ユーザーと検索エンジンに異なるコンテンツを表示する行為
- 誘導ページ:検索結果での上位表示のみを目的としたページ
- 隠しテキストと隠しリンク:ユーザーには見えないが検索エンジンには認識されるテキスト
- キーワードの過剰な詰め込み:不自然にキーワードを繰り返す行為
質の高いコンテンツ作成の基準
読者に高い価値を提供するためにコンテンツの品質向上を目指すことが根本的な解決策です。
品質の高いコンテンツの条件:
- 独自性:他にはない価値ある情報を提供
- 専門性:その分野の専門知識に基づいた内容
- 網羅性:ユーザーの疑問を解決する十分な情報量
- 信頼性:正確で裏付けのある情報
継続的なメンテナンス体制の構築
定期的なメンテナンスを行うことで、サイト全体の価値を高め、SEOパフォーマンスの向上につながります。
効果的なメンテナンス体制:
- 月次チェック
- 新しく追加されたスパムポリシーの確認
- アクセス解析による問題ページの特定
- 競合サイトとの比較分析
- 四半期レビュー
- コンテンツの棚卸しと評価
- 古いコンテンツの統合・削除判断
- SEO施策の効果測定
- 年次戦略見直し
- サイト全体のコンテンツ戦略の見直し
- 目標キーワードの再設定
- 競合分析に基づく差別化戦略
自然なリンクビルディング戦略
SNSなど活用して自然なリンクビルディングをしたり、低品質なリンクを否認するなどの対策をします。
健全なリンク獲得方法:
- 価値あるコンテンツの自然な拡散
- 業界関係者との関係構築
- プレスリリースやメディア掲載
- 専門性を活かしたゲスト投稿
まとめ:今後のサイト運営で注意すべきこと

スパムアップデートは今後も継続的に実施されることが予想されます。先日おこなわれたGoogle Search Central Liveにて、Googleは「今後はより頻繁にコアアップデートが実施されるだろう」と言及しましたが、これはスパムアップデートについても同様の傾向が見込まれます。
重要なポイントの再確認
- 古いコンテンツの影響は想像以上に大きい サイト全体の評価に悪影響を与える可能性があります。定期的な見直しと改善が必要です。
- 予防的対策が最も効果的 問題が発生してからの対策よりも、事前の予防策に力を入れることが重要です。
- ユーザーファーストの視点を忘れない スパムポリシーに違反するような行為を働いていない限りは、スパムアップデートを気にかける必要はありません。真にユーザーのためになるコンテンツ作りに集中することが最良の対策です。
継続的な改善への取り組み
スパムサイトが排除され、正しく運営してきた自社Webサイトの価値が相対的に高まるのがスパムアップデートだと理解すると良いでしょう。
つまり、適切にサイト運営を行っている事業者にとっては、スパムアップデートは競合サイトとの差別化を図る好機でもあります。
今回解説した古いコンテンツの見直しと改善は、一度実施すれば終わりではありません。継続的にサイトの品質を向上させることで、長期的なSEO効果を得ることができます。
まずは自社サイトの現状把握から始めて、段階的に改善を進めていきましょう。不安な点や具体的な対策でお困りの場合は、専門家に相談することも検討してみてください。適切な対策により、スパムアップデートを恐れることなく、安定したサイト運営を実現できるはずです。