効果があったホストクラブのマーケティング施策4選 - 株式会社LeveL.L

効果があったホストクラブのマーケティング施策4選

効果があったホストクラブのマーケティング施策4選


「法改正で従来の営業手法が使えなくなった」「新規のお客様が来ない」「どんなマーケティングをすればいいかわからない」——

2025年の風営法改正施行後、こんな悩みを抱えているホストクラブ経営者の方も多いのではないでしょうか。実は、弊社代表の伊藤は4年間ホストとして現場で働いていた経験があり、業界の内情や課題を肌で感じてきました。

風営法改正により「色恋営業」や「売上・ナンバー・役職による訴求」が禁止され、従来のマーケティング手法が通用しなくなった今、多くの店舗が集客に苦戦しています。しかし、これは悲観すべきことではありません。むしろ、健全なマーケティングで差別化を図る絶好の機会なのです。

この記事では、法改正に完全対応しながら、実際に効果が確認されたマーケティング施策4選をご紹介します。どれも自社でコントロールできる手法なので、外部環境に左右されない安定した集客基盤を構築できるはずです。


風営法改正がマーケティングに与えた影響


従来手法の使用禁止と新たな課題

2025年6月28日から施行された風営法改正により、ホストクラブのマーケティングは根本的な変革を迫られています。具体的には以下の手法が使用ができなくなりました。

  • 「伝説の○億円プレイヤー」といった売上実績による訴求
  • 「No.1ホスト」「店長」などの役職・ランキングによる差別化
  • 恋愛感情に乗じた広告表現
  • 過度に射幸心を煽る料金表示

これまで分かりやすい差別化要素として活用してきた表現が軒並み使用禁止となり、多くの店舗が「何をアピールすればいいかわからない」状況に陥っています。

外部媒体での表現制約強化

さらに深刻なのは、外部のポータルサイトや広告媒体での表現制約が厳しくなったことです。これまで頼りにしてきた掲載媒体でも、従来通りの訴求ができなくなっています。

だからこそ、自社で完全にコントロールできる媒体の強化が急務となっているんです。公式サイト、SNSアカウント、ブログなど、法令の範囲内で自由度の高い情報発信が可能な媒体を複数運営することが、今後の生命線になります。

健全経営店舗にとってのチャンス

ただし、この変化は真っ当に運営している店舗にとってはむしろプラスです。「色恋営業」に頼らざるを得なかった競合店との差別化ができ、健全性をアピールすることで新たな顧客層を開拓できる可能性があります。

問題は、どうやってその健全性や魅力を効果的に伝えるかです。

MEO対策で地域検索を制する


ホストクラブにMEO対策が効果的な理由

MEO対策(マップエンジン最適化)は、ホストクラブのような実店舗ビジネスにとって最も重要なマーケティング施策の一つです。

ユーザーがGoogleで「新宿 ホストクラブ」「歌舞伎町 ホスト」などと検索した時に、自店が上位表示されることで、来店見込みの高いユーザーに効果的にアプローチできます。MEO対策の強みは、来店見込みの高いユーザーに自店をアピールできることだからです(※1)。

特に重要なのは、地域密着型の検索において競合よりも上位に表示されることです。歌舞伎町のような激戦区でも、適切なMEO対策により新規顧客の獲得が可能になります。

Googleビジネスプロフィールの基本設定

NAP情報の統一

N(名前)、A(住所)、P(電話番号)の情報を、インターネット上のすべての媒体で統一することが重要です。ホスホス、ホットペッパー、公式サイトなど、全ての媒体で表記を完全に一致させてください。

「ラウンジ」や「バー」、「クラブ」の表記1つをとっても「Lounge」「Bar」、「Club」と日本語と英語が媒体によって入り混じっている可能性があります。こうした表記の「日本語」「英語」、「半角全角」、「4-1」なのか「4丁目1番」なのかは重要な評価基準になります。

営業時間の正確な設定 ホストクラブは通常「1部営業」(夕方〜深夜0時頃)が多いため、正確な営業時間を設定することで、適切なタイミングでお客様にアプローチできます。

カテゴリの適切な選択 「ナイトクラブ」「エンターテイメント」など、業種に適したカテゴリを選択しましょう。間違ったカテゴリ設定は上位表示を阻害します。

写真と投稿による魅力的な情報発信

店内の雰囲気、イベントの様子、スタッフの紹介写真などを定期的に投稿することで、お客様に店舗の魅力を伝えることができます。ただし、風営法改正により広告規制が強化されているため、過度に誘導的な表現は避ける必要があります。

代わりに以下の内容を中心に発信しましょう。

  • 店舗の清潔感や雰囲気
  • スタッフの人柄や特技(売上以外の魅力)
  • 健全なエンターテイメントとしての魅力
  • イベントや企画の様子

口コミ対策の重要性

口コミ対策がGoogleマイビジネスの運用において重要である大きな理由は、検索結果に大いに影響するためです(※2)。また、81.6%のユーザーが口コミ(レビュー)を参考にしているというデータもあり(※3)、集客における口コミの重要性は明らかです。

健全な口コミ獲得方法

  • 来店いただいたお客様に、サービス向上のためのフィードバックとして口コミをお願いする
  • QRコードを活用して口コミ投稿を簡単にする
  • 何より、自然と良い口コミを書きたくなるような優れたサービスを提供する

ただし、Googleのガイドラインでは口コミの記入に対して報酬やインセンティブを提供することは禁止されているため(※4)、金銭的な見返りは避けてください。

公式サイト制作とSEO対策で信頼性を構築


公式サイトの戦略的重要性

実店舗運営でGoogleマップからの効果を最大化したい場合にホームページの作成は必要不可欠です(※5)。特に風営法改正の施行後は、健全な営業姿勢をアピールすることが重要になります。

公式サイトは、その姿勢を丁寧に伝える最適なプラットフォームです。

公式サイトのメリット

  1. お店に懸ける想いを伝えられる
  2. 正確な情報の発信源と認識させることができる
  3. 求人情報を載せやすい
  4. 法令遵守の姿勢を詳しく説明できる

SEO対策のポイント

ローカルキーワードの最適化

「地域名 + ホストクラブ」「地域名 + ホスト」などのキーワードで上位表示を目指します。

サイトのドメインに地域名を入れることも効果的です。

E-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)の向上

  • スタッフの紹介や経歴(売上実績以外の魅力)
  • 店舗の歴史や特徴
  • お客様の声(適切な範囲で)
  • 業界での受賞歴や独自性

コンテンツの充実

  • 店舗紹介
  • イベント情報
  • 料金システムの透明性
  • よくある質問
  • アクセス情報

風営法改正への対応アピール

公式サイトでは、風営法改正に準拠した健全な営業方針を明確に打ち出すことが重要です。

具体的には

  • 料金体系の明確化
  • 適正な価格設定
  • お客様への配慮事項
  • 法令遵守の姿勢

これらを明記することで、安心して来店いただけるお店であることをアピールできます。他店との差別化要素として「安心・安全」を全面に押し出すことで、新たな顧客層の開拓も期待できます。

求人効果の活用

アルバイトの募集をしたい時に、大手のインディードでは申請や掲載確認に時間がかかるケースも多く、記載項目も多いのでリリースに時間がかかります。公式サイトなら細かい情報の変更が容易である点と、公開速度が速い点がメリットです。

特にナイト系の求人では、媒体に掲載できる報酬の上限が決められている場合もあるため、自社サイトでの詳細な条件提示が効果的です。


SNS運用で認知度向上とブランディング


SNSマーケティングの現在地

SNSからも新規のお客さんを呼べるから。むしろ集客方法としては主流だと言える状況になっています(※6)。ただし、風営法改正の施行により、SNSでの発信内容にも注意が必要です。

法改正により外部媒体での表現制約が厳しくなった今、自社で完全にコントロールできる媒体の価値が飛躍的に高まっています。

Instagram運用の効果的な手法

基本的な投稿内容

  • 店内の雰囲気を伝える写真
  • イベントやキャンペーンの告知
  • スタッフの日常(適切な範囲で)
  • お客様との健全な交流の様子

Metaビジネス連携による広告効果

InstagramアカウントをMetaビジネスと連携させることで、より詳細な広告設定が可能になります。ターゲティングも「年齢・興味関心・地域」などで細かく設定でき、効率的に見込み客にアプローチできます。

アプリから出稿する場合は1日の予算もアプリ側が指定した幅で出す形式になりますが、Metaビジネスからの出稿なら「1日5,000円で10日間広告を出したい」といった詳細な設定が可能です。

X(旧Twitter)での情報発信

  • リアルタイムな営業情報
  • 業界ニュースへのコメント
  • お客様への感謝メッセージ
  • 日常の発信による親近感の醸成

X(旧Twitter)は即時性が高いため、「今日のイベント情報」「急な営業時間変更」などの情報発信に適しています。

法改正を踏まえたSNS運用ガイドライン

避けるべき表現

  • 過度に恋愛感情に訴求する表現
  • 高額商品の過度な宣伝
  • 誤解を招く料金表示
  • 客の個人情報に関わる投稿
  • 売上やナンバー、役職による訴求(「○億円プレイヤー」「No.1ホスト」「店長」など)

推奨される発信内容

  • 店舗の雰囲気や清潔感
  • スタッフの人柄や特技
  • 健全なエンターテイメントとしての魅力
  • お客様の満足度(適切な形で)
  • スタッフの個性や経歴(売上以外の魅力)

複数SNSプラットフォームの活用

YouTube

  • 店舗紹介動画
  • スタッフの人柄を伝える企画
  • 業界解説コンテンツ

TikTok

  • 若年層へのアプローチ
  • エンターテイメント性の高いコンテンツ

各プラットフォームの特性を理解し、それぞれに適したコンテンツを発信することで、幅広い層にアプローチできます。

比較サイト制作で業界のオピニオンリーダーを目指す


比較サイトが持つマーケティング効果

ホストクラブ業界において、まだあまり活用されていないのが「比較サイト」の制作です。これは地域のホストクラブを客観的に比較・紹介するサイトで、マーケティング戦略として非常に効果的な手法です。

比較サイトを制作することで以下のメリットが得られます

  • 幅広いキーワードでの上位表示:「新宿 ホストクラブ 比較」「歌舞伎町 ホスト おすすめ」など
  • 業界の専門家としてのポジション確立:客観的な情報提供による信頼性向上
  • 自然な形での自店舗アピール:比較の中で自店の特徴を際立たせることが可能
  • 自社媒体の拡充:法改正により外部媒体での表現が制限される中、自社でコントロールできる新たな発信チャネルの確保

比較サイト制作のポイント

客観性を重視した情報提供

自店だけを優遇するのではなく、他店の良い点も公平に評価することで、読者の信頼を獲得できます。結果的に、その中で自店の独自性や強みが際立って見えるようになります。

詳細な情報の網羅

  • 料金体系の比較
  • 立地・アクセスの比較
  • 店舗の雰囲気・コンセプト
  • 在籍ホストの特徴(売上やランキングではなく、人柄や特技に焦点)
  • 初回特典の内容
  • サービスの独自性

法改正を踏まえた健全性の評価

風営法改正への対応状況や、健全な営業姿勢についても評価軸に加えることで、業界の健全化に貢献する姿勢をアピールできます。

長期的なSEO戦略としての価値

比較サイトは一度制作すれば、継続的にアクセスを集め続ける「エバーグリーンコンテンツ」になります。検索ユーザーの多くは比較検討のために情報を探しており、そのニーズに応える価値あるコンテンツとして長期間評価され続けます。

また、他店の経営者からも「公平な評価をしてくれるサイト」として認知されれば、業界内でのネットワーク構築にも役立ちます。

自社媒体ネットワークの構築

比較サイトは単体で運営するのではなく、公式サイト、SNSアカウント、ブログなどと連携させることで、強固な自社媒体ネットワークを構築できます。

従来は「No.1」「○億円プレイヤー」といった分かりやすい指標で差別化を図れましたが、これからは

  1. コンテンツの質と量で勝負
  2. 複数媒体での一貫したブランディング
  3. お客様との健全で継続的な関係構築
  4. 業界の専門家としての信頼性確立

これらの要素で他店との差別化を図る必要があります。

効果測定と改善サイクルの構築


各施策の効果測定方法

MEO対策の効果測定

  • Googleビジネスプロフィールのインサイト分析
  • 地域キーワードでの検索順位変動
  • 電話問い合わせや来店数の増加

SEO対策の効果測定

  • Google Analyticsでの流入数分析
  • 狙ったキーワードでの検索順位
  • コンバージョン率(問い合わせ・来店)

SNS運用の効果測定

  • フォロワー数の増加
  • エンゲージメント率
  • SNSからの流入数

継続的な改善の重要性

これらのマーケティング施策は一度設定すれば終わりではありません。定期的な効果測定と改善が必要です。

月に1度は各指標をチェックし、効果の薄い施策は改善、効果の高い施策は強化するというサイクルを回しましょう。

専門家サポートの活用

Web集客やMEO対策は専門的な知識が必要な分野です。「正しい方向性で施策を進めているか不安」「もっと効率的な方法を知りたい」という場合は、この分野に精通した専門会社に相談することをお勧めします。

特に法改正の影響で従来の営業手法が使えなくなった今、新しいマーケティングの仕組みを早期に構築することが、競合との差別化につながります

まとめ:新時代のホストクラブマーケティング


4つの施策による相乗効果

今回ご紹介した4つの施策は、それぞれ独立して効果を発揮しますが組み合わせることでより大きな成果を期待できます。

  1. MEO対策で地域検索の上位表示を獲得
  2. 公式サイトで信頼性と詳細情報を提供
  3. SNS運用で認知度向上と日常的な接点を創出
  4. 比較サイトで業界専門家としてのポジション確立

これらが連動することで、検索エンジンからの流入、SNSからの認知、口コミによる信頼性向上という多角的なアプローチが可能になります。

法改正を機会に変える発想

風営法改正の施行は確かに大きな変化ですが、これを機会と捉えることが重要です。従来の「売上実績」や「ランキング」に頼った差別化から、本質的な価値提供による差別化へとシフトすることで、より持続可能なビジネスモデルを構築できます。

健全性、透明性、エンターテイメント性——これらの要素を前面に押し出すことで、新たな顧客層の開拓も期待できるでしょう。

継続的な取り組みの重要性

これらのマーケティング施策は短期間で劇的な効果が出るものではありません。しかし、継続することで以下のメリットが得られます。

  • 検索エンジンからの安定した集客
  • ブランド力の向上
  • リピート客の増加
  • 法改正リスクからの解放
  • 自社媒体ネットワークによる強固な集客基盤の構築
  • 外部環境の変化に左右されない安定した情報発信力

今すぐ始められるアクション

まずは以下から始めることをお勧めします。

  1. Googleビジネスプロフィールの最適化
  2. 公式サイトの制作・改善
  3. 主要SNSアカウントの開設・運用開始
  4. 比較サイトの企画・制作

ホストクラブ業界の健全化は、業界全体の発展と社会的信頼の向上につながります。法令を遵守しながら、お客様に真の価値を提供する——

そんな新しいホストクラブのあり方を、効果的なマーケティングで実現していきましょう。

「正しい方向性で進められているか不安」「もっと効率的な手法を知りたい」という場合は、お気軽にご相談ください。アクションプランの策定とスケジュール組みまでは無料で実施していますので、まずは現状把握から始めてみませんか。



引用元
※1 MEO対策とは?自分で施策!最新の上位表示方法やMEOとSEOの違いと費用も解説
https://assist-all.co.jp/column/meo/20230313-2749/
※2 Googleマイビジネスでは口コミ対策が必須!悪い口コミの対処法も解説します! https://www.digimation.co.jp/blog/advertising/957/
※3 Googleマイビジネスの口コミが重要な理由と悪い口コミが投稿された時の対処方法! | MEOチェキ BLOG
https://meo.tryhatch.co.jp/meo/waruikuchikomi
※4 Googleの口コミをキャンペーンで集めるのはガイドライン違反? | フリースクエア https://freesquare.co.jp/media/meo/kuchikomi-campaign/
※5 無料で実施できる!効果があった飲食店マーケティング施策3選
https://levell.co.jp/column/1004/
※6 【元ホスト直伝】SNSを活用した集客方法とコツを全て伝授!|体入ホスパラNAVI https://hostjob.jp/magazine/1040/