【法改正対応】新規来店を確実にリピートに繋げるホストクラブ運営戦略4選

2025年6月28日から施行された風営法改正により、従来の「色恋営業」が完全に禁止されました。「集客施策は頑張っているのに、初回で終わってしまうお客様が多い」「リピート率が低くて経営が安定しない」「法改正後、どうやってお客様との関係を築けばいいかわからない」——。
こんな悩みを抱えているホストクラブ経営者の方、実は多いんじゃないでしょうか。私自身、4年間ホストとして現場で働いていた経験から、「初回の接客が全て」だと痛感してきました。どれだけ集客に成功しても、その後の運営戦略が不十分だと、せっかくの新規顧客も一見さんで終わってしまいます。
先日公開した記事では、法改正に対応したマーケティング施策をご紹介しましたが、今回はその「次のステップ」について解説します。せっかく集客できた新規のお客様を、どうやって安定したリピーターに育てるか——これこそが、法改正後の経営安定化において最も重要なポイントです。
また、大手でない店舗や新人ホストは真のエンタメ性やホスピタリティで勝負する絶好のチャンスなんです。この記事では、法改正に完全対応しながら、初回来店から定着まで一貫した運営戦略で新規顧客をリピーターに変える方法をご紹介します。

新規顧客の来店データ分析とリピート率の見える化

なぜ数値の見える化が重要なのか
「なんとなく新規のお客様は来ているけど、リピートに繋がっていない気がする」——こんな感覚的な課題把握では、効果的な改善策は打てません。まずは現状を数値で正確に把握することから始める必要があります。
Web集客やMEO対策で新規顧客を獲得できても、その後のリピート率が低ければ売上は安定しません。むしろ集客コストばかりがかかって、利益率が悪化してしまいます。
測定すべき基本指標
新規顧客の動向
- 初回数
- 初回のきっかけ
- 飲み直し率
- プレイヤー別の送り率
- リピート率(全体・プレイヤー別)
売上への影響度
- リピート単価
ぶっちゃけリピート以降の単価はプレイヤーの力量にも寄りますので、役職や幹部(今は呼称NG)の教育次第です。
お店や私たちのような代理店が出来るのは初回を呼び込むことと2回目のきっかけを作りだすことと思っていて、ブレずにそのために全力を尽くすことを意識しています。
簡単にできる測定方法
来店時に必ず記録する項目を決めて、スタッフ全員で統一しましょう。最低限、「初回/リピート」「担当者」「利用金額」「来店日時」は必須です。キャッシャーと紐づいているケースも多いですが、地方ではいまだに手書きでつけている場合もあります。そうした場合はまず記録する習慣をつけることから始めましょう。
リピート率が急激に下がった場合は、その前後で何があったかを振り返り、原因を特定します。特定の担当者に問題があるのか、店舗全体の課題なのかを見極めることが重要です。
データを活用した改善アクション
数値が見えれば、「初回→2回目の来店率が5%しかない」「特定の担当者だけリピート率が低い」といった具体的な問題が明確になります。
そこから「初回接客時の印象アップ施策」「アフターフォローの強化」「スタッフ研修の実施」など、的確な改善策を打てるようになるんです。

顧客管理システムの構築で継続的な関係づくり

情報管理の重要性と法的配慮
お客様との継続的な関係を築くためには、適切な顧客情報管理が不可欠です。システムとまではいかなくても、プレイヤー間で個人的にやり取りしているものはあるはずです。
私も新人時代はヘルプに着く前に担当にはお客様の情報を聞いてましたし、担当の時にはヘルプについてもらうプレイヤーの順番も決めていました。「箱推し」ではないですが、継続的にリピートしてもらうためには一定お店を好きになってもらう必要がありますからね。
管理すべき情報の種類
- 担当ホストの記録
- 誕生日など
- 飲むドリンクの種類
- 趣味や関心事
- 会話で盛り上がった話題
- 苦手・NG話題
システム運用のポイント
情報は担当者だけでなく、店舗全体で共有できる仕組みを作りましょう。見栄えが良くなかったとしても、見たい時にすぐ見れる状態を作ることが大切です。担当ホストが卓にいなくても、他のスタッフが適切な接客を提供できれば、お客様の満足度は維持できます。
対談で解説!結果を出すホストクラブマーケ
StockSunの株本さんとホストクラブのマーケ対策についてお話した動画です。事業者の方は是非ご覧ください。
アフターフォローの仕組み化で再来店を促進

法改正対応のアフターフォロー
風営法改正により、色恋を伴わない健全なビジネス関係の範囲内でのフォローが重要です。お客様に「押し付けがましい」と感じさせない、自然なアプローチが求められます。
効果的なフォロー手法
公式LINEの活用
- 店舗からの一斉配信による情報提供
- イベント告知やキャンペーン情報
- 季節の挨拶や感謝メッセージ
- 初回リセット通知
SNSを通じた間接的なアプローチ
- 店舗の日常やイベントの様子を投稿
- スタッフの人柄が伝わるコンテンツ
- お客様が気軽にコメントできる投稿
- プレイヤーのLIVE配信
当時はLINELIVEが流行っていたので、私は出勤前によくLINELIVEしてましたね。今ではTikTokライブもあればXのスペースもありますので、個人的にも発信しやすい環境になっているなと感じます。
フォローのタイミングと頻度
- 即日:感謝メッセージの送信
- 1週間後:次回来店への軽い誘導
- 1ヶ月後:近況伺いと店舗情報の提供
店舗からの公式としてメッセージを送る場合は、送りのプレイヤーと擦り合わせした上で送るようにしましょう。「指名で呼びたいのに店舗から初回訴求のメッセージが送られてくる」などのトラブルを避けることが出来ます。
LINEを活用している場合は該当のユーザーに送りのプレイヤーのタグ付けをした運用で解消できます。

風営法改正対応の料金システム構築

法改正により義務化された料金の明確化
風営法改正により、料金体系の事前説明と明確化が法的義務となりました。これは単なる「透明化」の話ではなく、法令違反を避けるために必須の対応です。曖昧な料金説明や、会計時の予期せぬ追加請求は、行政処分の対象となる可能性があります。
特に時価で変わりやすいドンペリをはじめとしたシャンパンを「ASK」で記載するケースがありますが、こちらも明確な料金を記載してください。
法令遵守のための必須対応
入店時の必須説明事項
- 基本料金(時間制・セット料金等)
- サービス料・税金の詳細
- 支払い方法と決済タイミング
会計時の義務事項
- 利用内容の詳細な内訳提示
- 不明な点があれば必ず質問を受け付ける
- 明細書の発行(保管義務あり)
禁止されている行為
- 事前説明なしの追加料金請求
- 曖昧な表現での料金案内
- お客様の同意なしでのサービス追加
法令遵守を顧客満足度向上に繋げる方法
明確な料金説明により、お客様は「ぼったくられる心配がない」という安心感を持って店舗を利用できます。この安心感が、リラックスした状態での楽しい時間に繋がります。
また「この店は誠実だ」という印象を初回来店時に与えることで、友達を初回で連れてきたりと長期的な信頼関係の基礎を築けます。法令遵守の姿勢そのものが、ブランド価値の向上に寄与するんです。
料金システム構築のポイント
スタッフ教育の徹底 全スタッフが料金体系を正確に説明できるよう、定期的な研修を実施しましょう。新人には必ず料金説明のロールプレイングを行い、お客様が理解しやすい説明方法を身につけさせます。特にトラブルに発展した際の対処は決めておくべきです。
例)お客様が泥酔しており記憶にないと言っている
口頭説明だけでなく、視覚的に分かりやすい料金表やメニューを用意し、お客様が後から見返すことができるようにします。
法的に要求される帳簿類や明細書は、適切に保管・管理する体制を整えましょう。これは法令遵守の基本であり、トラブル防止にも繋がります。

まとめ:新時代のホストクラブ経営モデル

4つの戦略による相乗効果
今回ご紹介した4つの運営戦略は、それぞれが独立して機能するだけでなく、組み合わせることでより大きな効果を発揮します。
- 初回接客の標準化で満足度の底上げ
- 顧客管理システムで継続的な関係構築
- アフターフォローで再来店を自然に促進
- 透明な料金体系で信頼関係を構築
これらが連動することで、「また行きたい店」から「通いたい店」、そして「愛される店」へと進化していけます。
法改正を成長の機会に変える
風営法改正の施行は確かに大きな変化ですが、これを「制約」ではなく「差別化の機会」と捉えることが重要です。従来の短期的な売上重視から、長期的な顧客満足度重視へのシフトは、結果的により安定した経営基盤を構築することに繋がります。
「色恋営業」に頼れない今だからこそ、真のエンターテイメント性とホスピタリティで勝負できる店舗が生き残ります。そして、そうした店舗こそが、お客様からの本当の支持を得られるんです。
継続的な改善の重要性
これらの運営戦略は「設定すれば終わり」ではありません。お客様の声を聞き、データを分析し、常に改善を続けることが大切です。
数字だけでなく、お客様の表情や言葉、スタッフの気づきも大切な改善のヒントになります。
専門家のサポート活用
運営戦略の構築や改善は、経営者だけで行うには限界があります。「正しい方向性で進められているか不安」「もっと効率的な手法を知りたい」という場合は、お気軽にご相談ください。
当社では、アクションプランの策定とスケジュール組みまでは無料で実施しています。ホストクラブ業界の現場経験を活かした、実践的なアドバイスをご提供いたします。
法改正を機に、本当にお客様に愛される店舗を一緒に作り上げていきましょう。健全で持続可能なホストクラブ経営こそが、業界全体の発展と社会的信頼の向上につながると信じています。