人の褌(ふんどし)で相撲を取るビジネスの危うさ - 株式会社LeveL.L

人の褌(ふんどし)で相撲を取るビジネスの危うさ

人の褌(ふんどし)で相撲を取るビジネスの危うさ

記事執筆者

伊藤 亨祐

株式会社LeveL.Lの代表取締役。 SEOではアクセスを集めるためのユニークなアプローチを得意としており、メディアの新規設計とグロースが得意。 テクニカル面も明るいため内部構造や診断でもお困りの際は弊社へお問い合わせください。

Web業界、特にSEO界隈でこの1〜2年、かなり大きなゲームチェンジが起きています。

AIの台頭、検索結果の仕様変更、ツールの使用制限…。

正直に言うと、僕もSEOが3年後、5年後にどうなるのか全然見えていない状態です。

そんな中で改めて確認したのは、「Webを介した仕事って、どこまで行っても他人の褌で相撲を取っている状態から抜け出せないんだな」ということ。

今日は、他人のプラットフォーム上で商売していることを忘れてはいけない、という自戒を込めた話をしていきます。

この「株式会社LeveL.L経営日記」カテゴリーでは、まだ何者でもない株式会社LeveL.L代表の私が、日々の気づきや感じたことを発信していきます。発注したいと気になっている事業者さん、一緒に働きたい・発注してみたいと思っている方は、少し私の人柄や脳味噌の中を覗ける内容になっていますので、ぜひ読んでいってください。

この投稿は録画した音声を文字起こししているものです。誤字脱字は予めご了承ください。

この議論を取り上げた理由

昨今、Web・SEO業界で大きな動きがあります。

特にこの1〜2年、SEO事業者にとってはかなり大きなゲームチェンジが起きているんですよね。

そこから改めて、Webを介した仕事はどこまで行っても他人のプラットフォームで相撲を取っている状態から抜け出せないんだなと再確認しました。

今日は、実際にあった事例などを共有しながら、自分だったり、この記事を読んでいる皆さんが理解を深めるものにしていければと思います。

僕のスタンス

最初に僕のスタンスを開示しておくと:

他人の土俵と言われているものとうまく共存はしたいけれども、ゆくゆくは依存しないビジネスモデルを見つけたい。

ただし、そんなことを考える前にまず手を動かそうぜ、というのが本音です。

皆さん、何かのプラットフォームに乗っているケースが多いと思います。

EC事業者さんはもちろんそうですよね。もっと細かいところで言うと、飲食店で使うPayPay決済とかクレジットカード決済も、本当に細かいですけど手数料を店舗側は支払っています。

Uber Eatsで商品を頼むとUber側に引かれるからちょっと高くなるとか、そんなところでも感じたりしませんか?

皆さん、それはやっぱり気づいているけど、脱却することができないから、その中でどうやってうまく戦おうかっていうところを模索している状態ですよね。

これって、別に認識していてそのまま仕事していく分にはいいと思います。

ただ、一旦はそんなこと考える前に手を動かそうぜっていう話だと思っています。

Web・SEO業界における最近の事例

特にこのWeb・SEO業界における最近の事例についてお話ししていきます。

①AIの台頭(検索結果)

一つ目が、AIの台頭による検索結果の変化です。

皆さん検索していただいていると思いますが、僕も最近娘が生まれたので、例えば「生後3ヶ月 体重」とかって検索するんですよ。

そうすると、AIがバーッとページの中に入っている情報を要約して、「生後3ヶ月の赤ちゃんの体重はだいたい4,000〜7,000グラムぐらいですよ」みたいにまとめてくれる。

そんなゲームチェンジが起きています。

ゼロクリック検索とは

これによって何が起きているのかというと、**いわゆる「ゼロクリック検索」**ですね。

検索をしているけども、この検索結果のAI概要の部分でもう自分が調べたい答えは出ているので、本来1位にランクインしている記事の中に入らずとも、もうそれで検索行動が終わってしまう。

使う側としては超便利で、本当に一瞬で知識を獲得できるんで、これはすごい便利なんですけど、ずっと記事を更新してきているところについてはなかなか報われない

急にトラフィックが減ってしまったなという状態が続いています。

LLM最適化(LLMo)の限界

この検索結果にAIがバーッと台頭してきた時に、もちろんこの検索結果のAIって既存のページから答えを抽出しているので、「じゃあこのAIに抜粋されるページになろうぜ」みたいなところで、いわゆる**LLMo(LLM最適化)**みたいなところが出てはきているんですけど。

ぶっちゃけ、ここに取り上げられてもそこからのクリック率ってそんなにないんですよね。

定量的なデータは示せないんですが、どこかの会社が出していたと思います。

だってもう、ここの答えが一番わかりやすいですし、なんならGoogleの検索結果が太字とか、該当するところをブルーのマーカーみたいなので引いてくれたりとか、情報全体もすごく見やすく整備されているんで、わざわざそのよくわからない記事に入っていかないよね、みたいな。

そういうところが、SEOサービスを販売している会社にとってはかなり痛手なんじゃないかなというところですね。

うちは、この事象が出てきた前後ぐらいから独立しているので、もうやるしかないっていうところなんですけど。

もちろんこれ、すごい厳密に言うと、ノウクエリ(Know Query)ですね。何かを知りたいっていうクエリだったりするので、いわゆるコンバージョンに近くないものが表示されている状態なので、そういうところを突き詰めていくとまだSEOサービスを提供する余地はあるのかなと思っています。

まあ、話を戻りますと、やっぱりGoogleっていう他人の土俵で商売させてもらっている状態なんで、急にこのGoogle側の仕様変更によって売上が大きく減ったり、ひいてはSEOを撤退しますみたいな、そういうことが起きてしまうリスクがありますよっていう話ですね。

②AIの台頭(記事執筆)

2つ目もAIの台頭なんですが、記事執筆の方ですね。

今の記事の執筆自体も簡単にAIで作ることができます。うちもAIで作っています。

これAIで作ることによって何が起きるかというと、ポンとお願いすると、いわゆる4,000字、5,000字のみならず、7,000字、8,000字、もっと10,000字ぐらいのものを、5分もいかないな、もう3分ぐらいで作ってくれるんですよね。

なんで人間、特にライターさんにお願いして、すっごい時間かかって一生懸命やっていたものが、基本的にはもう意味をなさないまではいきませんけれども、そこに対してお金を払わなくていいよねっていう感覚の方が増えてきている印象ですね。

ストックサンのラジオかなんかで見てましたけど、結局そのAIを使えるから、この料金ってもっと安くできないのかとか、この料金って果たして適正なのか?みたいな感覚が事業者さんの中にも芽生えてきているという感じですよね。

実際にすごい格安で提供しているフリーランスの方も増えてきていますし、感度の高い事業者さんであれば、自分でAIを駆使して記事を入稿したり書いたりっていうこともやっています。

なんで、これまでライターでやっていた方が、ライター業をちょっとやめます、みたいな投稿もXで見かけましたし。

僕自身、この執筆という業務に人の個性というか、ライターさんの考えている時間、書く時間を入れるみたいなことは正直やってないので、僕としてはすごく嬉しい変化かなというところではありますね。

レベル1〜100のグラデーション

ただ、1個注意してほしいのが、「AIで記事書けますよ」っていう発言とサービス自体に、だいたいレベル1から100ぐらいのグラデーションがあるのかなと思っています。

いわゆるレベル1って、今「生後3ヶ月 体重」っていうキーワードの話をしていたんで、「生後3ヶ月 体重」っていうキーワードの記事を書いてくださいみたいな指示をChatGPTに例えば投げます。

そしたら記事出来上がってきますけど、これは正直レベル1から10ぐらいのクオリティです。

なんで、これをやっている方だったり、これを提供している会社には非常に気をつけてほしいです。

こういうので、もうAIが書いた丸出しなので、ちょっと日本人に馴染み深くない言葉ですね。

すっごいAIが使う言葉で言うと「制約がある」みたいな。ハンターハンターの制約と誓約の最初の方の制約ですね。

何かこう、こういう制限があります、みたいな言い回しをする時にAIって結構「制約」を使いたがる。

あとは、費用対効果っていうものが我々ビジネスパーソンとして馴染み深いですね。費用対効果、コストパフォーマンスみたいなところが馴染み深いんですけど、「投資対効果」みたいな言い方をしていきますよね。

やればよくその辺がちょっともう、読んでてウッてなってしまうのと、どうしても読みづらい文章が出来上がってしまうので、バーッと大量に入れたとしても、AIだけで作った、レベル1ぐらいのAIを使いこなせる力で作ったWebサイトとかは順位がボンと下がっていってしまうのかなっていう印象ですね。

なんで、たまーにありますよね。もうすっごいトラフィックされて、AIでバーッと入れて、っていう初動はいいんですよ。

最初バーンと上がっていって、直近だといわゆるスパムアップデートで全部飛ばされるみたいなことになるんですけれども。

そういったところで、AIに依存しているところもあるけれども、やっぱりAIっていう他人のプラットフォームに乗っかっているので、AI側の仕様変更とかGoogleの評価基準の変更によってバサッと飛ばされてしまう可能性もありますよという話ですね。

③Googleの仕様変更(検索順位取得ツール問題)

3つ目が、Googleの仕様変更による検索順位取得ツールの問題です。

これは記事でも書いたんですけど、Google検索において検索順位を取得するツールがあります。

AhrefsとかGRCとか、GMOランクチェッカーとか、いろんなツールがあるんですけど。

これまでは100位まで検索順位を取得できていたんですが、Googleが検索結果のパラメーターを変更したことによって、10位までしか取得できなくなってしまったんですよね。

GMOランクチェッカーの事例

GMOランクチェッカーっていうツールが、僕も使っていたんですが、これが2024年の11月15日から検索順位が取得できなくなって、11月20日にサービス終了のお知らせが出ました。

つまり、5日間でサービス終了です。

これ、本当にびっくりしましたね。GMO側も対応できなかったんだと思います。

他のツールも、100位まで取得できていたものが10位までしか取れなくなったりとか、かなり影響を受けています。

Google側の仕様変更一つで、使っていたツールが使えなくなる。これがまさに他人の土俵で商売している状態なんですよね。

その他の事例:フォートナイトとApple

その他の事例ですね。有名どころ、今回一つだけ取り上げます。

アプリストアという「土俵」

小中学生に人気のゲーム、フォートナイトというゲームがあります。

これを出している制作会社、エピックゲームスというところがあるんですけれども、これ2017年からフォートナイトを販売しているオンラインゲームになります。

僕もやったことありますね。いろいろ壊したりしながら建築しながら戦うみたいな、バトルロワイヤルですね。eスポーツとかにもなっているようなゲームです。

これ、もちろんテレビゲームなんですけれども、一時そのアプリとかでもできるようになっていて、スマホで。

そのアプリ側の提供者と問題がありました、というところですね。

Appleのアップストアでフォートナイトがダウンロードできたんですけれども、これはユーザーが課金した時の手数料が高いです、というところで。

フォートナイトが自社の決済ツールみたいなところを入れようとしたんですけど、そこでちょっと問題が起きてしまって。

手数料30%という現実

2020年8月14日金曜日に、Apple社がフォートナイトをApp Storeから削除してしまったという問題になります。

本来App Storeの売上利益って課金の手数料になると思いますので、その代わりに出してあげてるよ、みたいなところだと思います。

フォートナイトが、独自の決済システム「エピックダイレクトペイメント」を設置。そこで課金をすることができるようにアップデートを行いました、というところですね。

これね、たまーにありますよ。どっかに遷移させてそっから、Webとかから買ってアカウント連携してね、みたいな動きですね。

エピックゲームズは修正を拒否したので、Apple側はフォートナイトのアプリを削除したという騒動が起こってしまいました。

ちなみに手数料30パーセントというところですね。我々が1,000円課金したら300円Appleに入って、700円エピックゲームズに入ると。

その代わり、アプリという形でスマートフォンの中に置いてあげます。これはめちゃくちゃでかいですね。そのお金がちょっと高いとかじゃないぐらいでかいですけどね。

訴訟の結末

訴訟まで行きまして。

結果ですね、Apple社のフォートナイト公開停止措置は有効であると判断し、エピックゲームズの訴えを棄却することになりました。

これによってですね、エピックゲームズのiOSおよびmacOSバージョンのアプリについては配信だったり、アップデートを行うことができない結果となりまして、これが継続されているというところですね。今ちょっとあるのかわかんないですけど。

これね、最近もあるんですよ。すごい人気のワンピースのゲームアプリでバウンティラッシュというものがあるんですけれども、ここもちょっと前からWebストア、バンダイですね。

バンダイが提供しているんですけど、バンダイのWebストアを登録してWebストアから課金購入したら、なんか最初サービスあるよ、みたいな感じでどんどんこう引き上げを図っているような動きが見られますよね。

それ大丈夫なのかなとか個人的には思いますけど。

やっぱり売上の規模が大きくなってくると、もう3割でかいですよね。

ただ、最初はその3割があることによってたくさんの人に普及したみたいなのはもちろんあるんですけど、フランチャイズの手数料だったり、そんなもんも一緒ですよね。

LINEもいつなくなるかわからない?

最後ですね。これも本当におまけなんですけれども。

最初に自分のスタンスですね、「うまく共存していきたいけど、ゆくゆくは依存しないビジネスモデルを見つけたい。ただ、そんなことを考える前にまず手を動かそうぜ」と僕のスタンスを発表したんですけれど。

最後の事例はこれ、実際にこういったことを話されているお客様がいらっしゃったんですけど。

プラットフォームリスクを恐れすぎる危険性

顧客とのコミュニケーションツールですね。

今皆さん、メルマガとかもちろんやっていらっしゃる方もいると思いますけど、どちらかというとSNS、YouTube、Instagram、TikTokのアカウントをフォローしてもらったりだとか、もっとカジュアルに行くとLINEの友達追加してもらったりっていう動きが増えていると思います。

そんな中で、「御社、LINE側とめちゃくちゃ相性いいんでLINEで友達追加してもらって、こうこうこういう風な形で配信していって、こういうふうなところを狙ってやっていきませんか?」みたいなお話をした際にですね。

**「なんかLINEも結局アプリだからいつなくなるかわからないよね〜」**みたいなことをお話しされていて。

なんでLINEはやりたくないんですよ、と。結局その話はポシャったんですけど。

**それ今それ考える必要ある?**っていうところですかね。

小規模事業者が考えるべきこと

もちろん、その売上規模とかがすごく大きくなっていくのであれば話は別なのかな。ただ、大きいところもLINEやってますからね。

なんですけれども、今その僕だったりとか…ちょっと言い方難しいですね。

本当にわかりやすいのは、従業員を何百人以上と抱えていない会社の方が多いわけですよ。

本当に社員の数が5人もいない、僕はうち1人もいないんで、1人雇ってるだけで本当に素晴らしいことだと思いますけど、5人いない会社とかですね。

そういった規模の会社のレベルで、なんかそのプラットフォームがリスキーだからやりませんって、僕はそれは賢い選択肢だとは思わなくて。

やっぱり意思決定の連続ではあると思いますので、やってみてダメなら撤退するとか、でもやりながらもしこれがなくなった時にどうしようかという二の矢、三の矢を用意しながら進めていくっていうのが賢いのかなと思っています。

なので、一旦は今回のケースで言うと、一旦はLINEに全力投球はするけども、そのプラットフォームの危険性がなんかちょっと怖いよね、怖いよね、というか消える可能性あるよねって思っているのであれば、やりながら次の手を考えようぜ、みたいな。

今一番良くないのって動かないことですよっていうのに。

その時は僕のプレゼンがちょっと足りてなかったなぁという気持ちはありますね。

まとめ:考える前に手を動かそう

本当に自分も含めてなんですけれども、やっぱり今何も動けていない、動いていないということが一番劇的な状態であって。

何かできることがあるのであれば、とりあえずやってみるべきだし。

この今僕が録音して記事を発信していくっていうのも、まずはやってみてダメだったら別に消しゃりゃいいだけの話だし、改善していけたらなっていうところですね。

実はこれを発信しているのにも何個か理由があって、デメリットと比較した場合にですね、これ絶対やった方がいいじゃんっていう判断でやっている作業になりますので。

日本人の挑戦者への風当たり

日本人ですね。僕はすごくお世話になっている社長さんも言っていましたが、やっぱり日本人って何か挑戦したりチャレンジしたりする人を、やっぱりどこかこう小バカにしたりだとか、失敗した時に叩きたくなる。

そういう傾向がですね、SNSだったり、YouTubeのコメント欄とか見ていてもそうだと思いますけど、やっぱりなんか下火の人を叩いて優越感に浸りたいのか。

自分がすぐ「ほら、言った通りじゃん」っていうのをやりたいのか。

そういう人が多いとは思いますけど、これは会社の中でも外でもそうですね。

旗を上げる人間が賞賛されるべき

やっぱり何かやろうと思って一回こう旗を上げた人間が一番賞賛されるべきだし、旗を上げた人間に対してそれいいねって賛同してやってくれる人も同じぐらいすごく大切な人材だと思います。

ちょっと逸れてしまったんですけど。

他人の土俵の上で商売しているってことは常に忘れてはいけませんよという話なんですが。

そんなことですね、小さい規模の事業者、弊社含めた従業員もたくさんいない、売上規模もそんな何百億とかじゃないのであれば、まずはそんなことを考える前に手を動かしていこうぜと。

フォートナイトの事例はまさにそうだと思いますけど、とにかくまずやっていく。

やっていって、ユーザーの人気っていうのは後から追いついてくるもので、後から追いついたからプラットフォーム、他人の土俵を脱却するために決済システムを入れ替えたらトラブルになってしまったと。

でもフォートナイトって、結局今も愛されているゲームということに違いはないわけですから。

まずはそんなことを考える前に一緒に手を動かしていきましょうという話になります。

では少し長くなってしまいましたが、本日はここで以上とさせていただきます。では、また次の機会にお話ししましょう。


株式会社LeveL.L 代表取締役 伊藤亨祐

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