【低単価戦略】実際やってわかったメリットとデメリット - 株式会社LeveL.L

【低単価戦略】実際やってわかったメリットとデメリット

【低単価戦略】実際やってわかったメリットとデメリット

はじめに

「低単価=大企業の戦略」「弱者は高単価で豊かへ」

YouTubeやXで、こんな言説を見かけない日はありません。

確かに高単価で成功している経営者の方はたくさんいますし、その発信も素晴らしいものばかりです。ただ、実際に低単価で成功する事例はないのか?本当に大手企業だけの戦略なのか?

そんな疑問に対して、個人事業を1年半した後、約1年間「低単価戦略」を実際にやってみた私の経験をもとに、メリットとデメリットを赤裸々に解説していきます。

この「株式会社LeveL.L経営日記」カテゴリーでは、まだ何者でもない株式会社LeveL.L代表の私が、日々の気づきや感じたことを発信していきます。発注したいと気になっている事業者さん、一緒に働きたい・発注してみたいと思っている方は、少し私の人柄や脳味噌の中を覗ける内容になっていますので、ぜひ読んでいってください。

この投稿は録画した音声を文字起こししているものです。誤字脱字は予めご了承ください。


この記事を書いた理由

この記事を書いた理由は大きく2つあります。

1つ目は、Xなどを見ていただけるとわかる通り、低単価ではなく高単価について語っている経営者の方がすごくたくさんいるということです。YouTubeでも同様に、高単価戦略の発信が多く見られます。

2つ目は、「果たして低単価戦略は本当にダメなのか?」という疑問です。やらない方がいいとか、高単価で成功している人はたくさんいるけれども、実際に低単価で成功する事例はないのか、本当に大手企業だけなのか、そんなところが皆さん気になっているんじゃないかなと思います。

もちろん業種や業界によって違いはあると思いますが、私はこのWebマーケティング領域で低単価戦略を1年間やってみました。


結論から言うと

最初に私のスタンスをお話ししておきますと、総じて「副業程度の個人事業主ならあり、法人なら難しいんじゃないか」という結論です。

法人ならNGとまでは言いません。理由は、私がやっているのでダメとは言えないからです(笑)

ただ、低単価戦略を続けるメリットももちろんあると思いますので、このメリットとデメリットをしっかり切り分けて解説していきます。


当社の商品内容

まず、私が提供している商品についてご説明します。

弊社のサービスページにある「定額制マーケティング」を見ていただければと思いますが、毎月お客様から一定の月額費用をいただいて、SEO、MEO、LINE、デザインなど何でもやりますよ、というサービスになっています。

有名なところでいくと、株式会社StockSunの「マキトルくん」のようなサービスですね。詳細はサービスページやコラムの方を見ていただければと思います。

ちなみに、ECでアパレルブランドを販売するような「商品を作って低単価で売る」という内容ではないので、そこだけ最初にお話ししておきます。物販とサービス業では話が変わってきますからね。


低単価戦略の3つのメリット

メリット①受注しやすい

まず1つ目、シンプルに受注しやすい、これが大きなメリットです。

このWebマーケティング領域でいくと、同じようなサービスを提供している事業者さんの相場は、だいたい月20万〜30万円で10万〜50万円くらいのレンジになります。SEOだと物量でボンと上がったりもしますよね。

SEOもMEOもLINE構築も全部やって…となってくると、だいたい50万円くらいはするんじゃないか、もっとかかるんじゃないのかな、というところです。

それに対して、私が最初に販売していた金額は月30,000円です。

相場50万円に対して、3万円で全部やりますよ、という形になるので、「じゃあこの人でいいんじゃない?」というところで受注しやすい。これが1つ目のメリットです。

むしろ受注しやすいというメリットがなければ、やる意味はない戦略になるので、ここは大前提として重要です。


メリット②解約におけるダウンサイドが低い

2つ目は、解約におけるダウンサイドが低いというものです。

例えば、月30,000円の案件を30社持っているとします。そうした場合、月の売上は900,000円になりますよね。1社解約が出た時に、翌月の売上は90万引く3万で870,000円になります。

これがダウンサイドが低いということです。(倒れるリスクが低い)

仮にこれが、先ほどお話しした300,000円の案件を3社持っている状況だと、90万引く30万で、これまで900,000円あった売上が翌月に解約が発生してしまうと600,000円になってしまいます。

この低単価をちまちま積み上げていくことで、例えば1社解約になったとしても、そんなに痛手じゃないよね?という状態が作れます。

これが2つ目のメリットです。


メリット③代理店として好かれる

最後、3つ目のメリットは代理店として好かれる、代理店販売ができるというところです。

私はメリットの中で1番大きいものはこれだと思っています。

というのも、「全部できますよ、月30,000円〜50,000円で」というのは、私より規模の大きい法人からしたら超ありがたいんですよね。

なので、これはお客様に販売するというよりかは、同業他社に売るという座組です。

例えば、同業他社のA社がWebサービスを150,000円で受注してきました。で、「株式会社LeveL.Lの伊藤さん、この案件50,000円でできますか?」というようなイメージですね。よく大手企業がどんどん下請けに流すやり方があると思いますが、それのイメージです。

これがいまだに続けている理由として大きいです。

その会社の売上を拡大していくためにはリソースが足りないんですけど、それをうちに依頼することでリソースの部分はクリアできますし、低単価で提供しているので十分な利幅が取れます。

なので、がっちり利益を確保しながら業務を外注できる。うちとしてはトスアップがもらえるというようなwin-winの関係性になります。

ただ、win-winになるかどうかは、うちのサービスの品質が伴っていないとダメ。根本的にはそこの話になります。

なので、純粋に低単価でwin-winになるかっていうのは、販売価格だったり品質、本当にその代理店さんに好かれるかみたいなところもあったりするので、そこは重要なポイントです。


【言い訳】LTVが長くなりやすい?

デメリットに行く前に、私が最初メリットの1つに挙げていた内容があるんですけども、これよくよく考えたらただの言い訳だなというところで、メリットでもデメリットでもどちらでもない「言い訳」として1つピックアップします。

それが「LTVが長くなりやすい」というものです。

例えば月30,000円だと、お客さんの出費的に経費的には月10万、20万と比べると大きくないので、期待値が低いということにもつながるとは思いますが、長くちまちまと続けてもらいやすくなる、という私の肌感覚がありました。

でも、このLTVが長くなりやすいから低単価にするというのは、もうただの言い訳なんですよね。

例えば、高単価の方が月300,000円の案件を契約してきたら、月30,000円だと10ヶ月かけて300,000円を積み上げる世界ですが、高単価の方が1ヶ月でLTVを上回る世界になってしまいます。

なので、これはどちらでもない言い訳として記載しています。

低単価で販売している方が「いやLTV長くなるんですよ」っていうのは、ただの言い訳ですよ、ということは私も身をもって知っていますので、改めて記載しております。

まあー、議論になるレンジでいくと競合他社や自社の商品含めた相場がある程度決まっているEC商品とかでしょうか。コンサルティング業務での例えが悪いですね。


低単価戦略の4つのデメリット

ここまででメリットは終了で、次はデメリットに行きたいと思います。

デメリット①リソースがパンクする

デメリット4つありますが、1つ目がリソースがパンクするというものです。

これはもう読んで字のごとくなんですけれども、30,000円で受けた案件ももちろん全力対応しますので、物量は50,000円の案件と10万円の案件で変わってきますが、ただzoomしたり、裏側ではアシスタントとMTGしながら品質担保したり、しっかりやります。

そのため案件数が増えていくと、パンクしてしまうという状況になります。

月10件や20件であれば何とかなるかもしれませんが、30件、40件となってくると、1人では回らなくなってきます。そうすると人を雇う必要が出てきますが、低単価だと利益が薄いので、人件費を賄うのが大変になります。固定費が増えると倒産のリスクが上がりますからね。

これが1つ目のデメリットです。


デメリット②高単価案件が取りにくくなる

2つ目は、高単価案件が取りにくくなるというものです。

これは価格のイメージがついてしまうということですね。「あの人は安い人」「あの会社は安い会社」というイメージが一度ついてしまうと、後から高単価にしようと思っても、なかなか難しいんです。

例えば、ずっと30,000円でやってきたのに、急に「次からは100,000円です」と言っても、「え、なんで?」となりますよね。

新規のお客様に対しても、既存のお客様から「あそこは安いよ」という口コミが広がってしまうと、高単価での提案がしづらくなります。

紹介で起きがちな事象ですね。

これが2つ目のデメリットです。


デメリット③付加価値をつけられない

3つ目は、付加価値をつけられないというものです。

これは利益が少ないことによる制約です。例えば、経営層の方と会食をして関係性を深めたいとか、セミナーに参加して学びたいとか、そういった「付加価値」を提供するための活動に使えるお金が限られてしまいます。

高単価であれば、そういった接待や学習、投資に回せる利益がありますが、低単価だとそれが難しい。

結果として、サービスの質を上げるための投資ができず、価格以外の部分で差別化することが難しくなります。長期目線で見たら衰退していきますよね。

これが3つ目のデメリットです。


デメリット④売上が積み上がっても利益が微々たる

最後、4つ目は売上が積み上がっても利益が微々たるというものです。

これが法人としては一番大きいデメリットだと思います。

どういうことかというと、どれだけ利益が積み重なっても、業務委託報酬を支払い、役員報酬を払って、いろんな経費を払って、売上が何十万、100何万円上がっていても、積み上がっていく毎月の利益が本当に微々たる額なんですね。10万、20万とかっていうような金額になってしまいます。

そうすると、「何か販促施策したいよね」とか、「ちょっと営業しに新幹線乗って東京の方まで行きたいよね」となった時に、新幹線往復で30,000円かかって、ホテルをカプセルホテル取ったとしても今は5,000円ぐらいかかります。

滞在してて、ちょっとご飯買ったり、コンビニで安く済ませようとしても、雑費とか含めると一発の出張に50,000円ぐらいかかります。

すごいオペレーションで24時間対応ぐらいのチャットをして、自分で何でもやって、お客様には喜んでいただいて生み出す利益っていうのはほぼ一緒で、出張なんかに行くと吹き飛んでしまうという状態になります。

本来はしかるべき新規獲得のためやサービス品質向上のために費用を使いたいんですけども、それって利益から生まれるものなので、法人としてはちょっと攻められない状態になってしまう。これが大きいデメリットですね。

あとは、このデメリットが例えば分かりやすいところで言うと、自社のサイトの開発が遅れるとか、そんな感じです。

うちは絶賛遅れていますね。

この記事をアップする頃には、定額制マーケティングのページとSEOサービスのページができていると思いますが、本来あと2つぐらいは作っておきたいんですが、その辺の開発がやっぱりどうしても遅れてしまう、というところになります。

この辺が大きいデメリットの4つになります。

このデメリットの4つって、低単価で経営したら100%起こりうる事象になるので、これから独立したい方は見ていただきたいなという内容になります。


絶対にしてほしくないこと

最後に、絶対にしてほしくないことをお話しして終われればと思います。

①低単価を理由に品質を下げる

絶対にしてほしくないこと1つ目、低単価であることを理由に対応を疎かにしたり、品質を下げることです。

うちの場合、これには2つのパターンがあると思っています。

私は30,000円でやっていますが、本当に自信を持って「30,000円でWebマーケティング業界に破壊を起こしてやる」という気持ちでやっているので、決してそんなことはないんですけれども。

例えば、私も外注したりするので感覚ありますが、「業界の相場がいくらだけど、この金額で受けているから、なんとなく手を抜いた納品物が上がってくる」みたいなイメージですね。

画像の作成とか、記事の制作とかもわかりやすいかな。

例えば、業界相場で記事制作が1万円なのに、私は5,000円で受けているから、じゃあ文字数少なくていいよねとか。

本来100点満点のクオリティを出そうとすると、この章立てに対してこういう構成をして、これは内部リンクを入れて、FAQまで入れて、上げた後にインデックス送信して、画像を作って…といろんな対応が入ってくると思いますが、それをお客様には言わずに「5,000円で受注しているし、これぐらいでいいよね」と。

至極わかりやすい例えをすると、「1,000円で受注したすき焼き鍋1人前は相場より安いから勝手に豚肉使おう」みたいな妥協。でもこの場合食べたら「あ、豚肉やないの」ってわかるんでそこまでタチは悪くないですね。笑

ただ「外注は基本的に豚肉かわからない」。今日の名言でしょうか。

それやりだしたらもう終わりですね。

自分で自分に言い訳している状態で低単価をやるのは良くないので、自分で言い出した価格に責任を持とうというところが一番伝えたいところです。

これはもちろんうちもそうなんですけれども、うちは30,000円でやりますって言ったらもう何があっても30,000円でやりますし、10万円でやりますという場合は10万円分の100%、120%のパフォーマンスを出せるように責任を持ちましょうという話です。

特にフリーランスの方は多いかなあ。


②虚偽の高単価

もう1つ、高単価軸で虚偽の高単価というところを2つ目の「絶対にしてほしくないこと」として挙げています。

これも難しいんですけど、発注においては結構あるんですよね。

「SEOのコンサルにいくら払って、調査レポート作ってもらって中身がこれだったんですけど、伊藤さんどう思いますか?」とか、そういう話も結構上がってきます。

よくあるところは、例えば「顔出しなしYouTubeで月何百万稼げます」みたいな雰囲気のアカウントとか、嘘もりもりの情報で高い価格で案件を取ってさばいていくというところですね。

これ、実際に今もやっている人いると思いますし、私は絶対やりませんけど、中には「伊藤さん、SEOで何が何位に上がったとかの実績とかくれませんか」とか、そんな話もありました。あげるわけなかろうに。

実績なんて顔と名前が入ったインタビュー記事でもない限りは言ったもん勝ちですから、「●のキーワードで1位!」「●万回再生!」とか、それアダルト動画で再生回しただけやろ、みたいな。

ですので、私がクラウドソーシングで応募するとき、実績はメッセージに入れていません。求めていることに対応できればそんなもの要らないんですから。

もちろん、リアルに華々しい実績がある場合は載せたらいいと思いますけども、嘘をついてまで高単価を実現しようとするのは良くないという話です。

私としてはしてほしくないと思っていますけれども、やっている方もいるので、皆さん気をつけましょうという話ですね。


まとめ

ちょっとずれてしまったんですが、低単価戦略を1年間やってみてわかったメリットとデメリットについてお話ししました。

私としての見解はお話ししていますが、改めて低単価の場合にも責任を持とうというところ、意外とメリットあるんだよというところが伝わればと思います。

ただし、メリットを享受するためには、低単価側の能力だったり人柄に依存するところがあります。そしてデメリット4つは絶対に起こりうることなので、ここをしっかり理解した上でやるならやってくださいね、というような結びになります。

総じて、副業程度の個人事業主ならあり、法人なら正直難しいんじゃないかなと思います。私がやっているのでダメとは言いませんが。

私としては、徐々に価格、フロントの価格の方は引き上げているんですけれども、それでもまだ安かったりするので、例えば今日営業できなかったなみたいな日があったとしても、代理店さんの方からチャットをいただいて急に新規契約いただけるとか、すごいそういう嬉しい巡り合いみたいなものもあったりします。独立してこのような素敵な巡り合わせがあるとは想定していなかったので、感謝しかありません。

なので、正直1年やってみて辛すぎてもう絶対嫌だからやめると、そういうつもりは一切ありません。

ただ、これから起業を考えている方、独立を考えている方は、このメリットとデメリットをしっかり理解した上で、自分に合った戦略を選んでいただければと思います。

こういったコンテンツで忘れてはいけないのが、発信者や私も「あくまで現時点で生き残っているから」=「生存者バイアス」ですからね。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!